2022年2月28日(月)オンライン形式(Zoomウェビナー)で、令和3年度ダイバーシティ推進室シンポジウムシンポジウム「変わる研究環境とダイバーシティ-10年後の未来に向けて-」を開催しました。約160名の方から参加申込みをしていただきました(本学教職員92名、学外者66名)。
基調講演では、永野智己(ながの としき)氏(国立開発法人日本科学技術振興機構 研究開発戦略センター)に「研究開発活動を変革する -リサーチトランスフォーメーションのすすめ-」と題してお話をしていただきました。永野氏は、リサーチトランスフォーメーション(以下、RX)を提唱したご本人です。講演では、研究の世界の動向から始まり、研究のDXではなくなぜRXなのか、RXを実現していくための問題と課題等について包括的に大変分かりやすくお話していただきました。
本学の取組紹介では、2つの発表を行いました。
まずは、本学の共用設備を管理している総合分析実験センターから、永野幸生准教授と徳山由佳教務員のお二人に登壇していただき、本学におけるRXの進行状況についてお話していただきました。現在、センターで取り組まれている共用化・遠隔化・自動化の話題をメインに、最近導入された最新機器(スマートグラス、自動分注機他)についても紹介していただきました。
続いて、研究のDXやRXを開発する側からの話題提供として、山口暢彦准教授(理工学部理工学科情報部門)に「佐賀大学スマート化プロジェクト」での取組を発表していただきました。これまで農学部や医学部看護学科とそれぞれ連携して取り組まれた、実験の自動化・遠隔化の具体的な事例について紹介していただきました。
質疑応答の時間では、発表者全員4名が登壇して、活発な意見交換が行われました。
シンポジウム後のアンケートでは、
- 「RXについての全体的な話に加え、佐賀大学での取り組みを知ることができてとても良かった」(佐賀大学教員 女性)
- 「これから10年で、研究が大きく変わることを実感しました。いかに時代に乗っていけるかしっかり考えないといけない」(佐賀大学教員 男性)
- 「これからの未来を見据えて自分たちがどうするべきか見えたように感じた」(佐賀大学学生 女性)
- 「最初は、RXとダイバーシティの繋がりが、よく分からなかった。しかし、全体を通して、「何事も繋がっている」と感じた。そして、いろいろな人が交わることで、多様性が生まれ、新たな発想に結び付くのではないかと思った」(佐賀大学教員 男性)
- 「失敗しながらスキルや物の見方を勉強してきた自分にとって、教育と研究が分離する方向にあるのではないかと少し心配です。とはいえ新しい時代の研究スタイルは確立しなくてはいけないと思います」(他大学教員 男性)
と多くのご感想・ご意見を寄せていただきました。
言葉としてはまだ浸透していない「リサーチトランスフォーメーション(RX)」ですが、参加者のみなさまにとって本シンポジウムをきっかけにRXについて知り、これからの研究について考える良い機会となったようです。本学での研究のDX化やRXへの取組みは、まだ始まったばかりです。教職員それぞれにとって、よりよい研究環境になるのと同時に、誰もが働きやすい環境となるようにしていきたいですね。
開会挨拶
兒玉学長による開会挨拶 |
ダイバーシティ推進室活動報告
荒木ダイバーシティ推進室副室長による発表 |
基調講演「研究開発活動を変革する -リサーチトランスフォーメーションのすすめ-」
講演中の永野智己氏 |
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本学の取組紹介1
「佐賀大学のリサーチトランスフォーメーションについて」 永野幸生准教授・徳山由佳教務員(総合分析実験センター)による発表。 |
本学の取組紹介2
「佐賀大学スマート化プロジェクトから」 山口暢彦准教授(理工学部理工学科情報部門)による発表。 |
質疑応答中の様子
基調講演講師及び本学取組紹介の発表者全員が登壇し、質疑に対応。進行は荒木副室長。 |
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閉会挨拶
渡ダイバーシティ推進室室長による閉会挨拶 |
利用者の声
最初は、リサーチトランスフォーメーション(RX)とダイバーシティの繋がりが、よく分からなかった。しかし、全体を通して伺うことで、「何事も繋がっている」と感じた。そして、いろいろな人が交わることで、多様性が生まれ、新たな発想に結び付くのではないかと思った。
50代 男性 教員